これから教育実習に行く人へ ~一期一会~

教育系

教育実習の意義について、春学期の終わりにふと振り返ってみようと思う。

僕は5月の後半から6月の半ばまでの三週間、母校へ教育実習に行った。そこでは様々な経験ができたが、あまり書かないほうがよさそうなことも多いので、抽象的な話になるだろう。

教育実習とは、どの様な意味を持つのだろうか?ここでは三つの視点から考えてみたい。

学生にとっての教育実習

まず、学生(実習生)にとっては、教育実習とはどのような意味があるのだろうか。制度的な話でいえば、教員免許を取得するためには必ず教育実習に行かなければいけない。

※中学の免許は3週間、高校の免許は2週間。両方の場合は長い方の3週間に合わせる

そのため、中には免許のためだけに実習に来ている人もいる。もちろん、本当に教員になりたいと思っている人もいるのだが、実習生によってかなり熱意は異なる。

また、実習の時点でまだ教員の道に進むかを迷っている人もいるだろう。そういう人にとっては教育実習は決断するための最大の材料になる。個人的には企業のインターンと同じように、このスタンスで実習に行くのがいいのではないかと思う。もちろん、実習期間中は「自分は先生になったのだ」というつもりで自覚をもって生活する必要がある。

このように、学生にとって教育実習の意義は大きく異なる。

先生にとっての教育実習

受け入れる側としては教育実習は面倒くさいものだろう。自分が行った実習校では、オリエンテーションの時点で「あまり自分達は良く思われていないな」という雰囲気を感じた。それもそのはずだ。通常業務の合間を縫って、わざわざ本当に教員になるのかもわからない大学生の相手をしなければならないのだ。

先生によってはその期間授業をしなくていいので楽だという先生もいたが、実習生がとんでもなく下手な授業をしてしまったら、実習期間終了後に先生がもう一度補習のようなことをしなければならない。

正直、指導担当の先生によって実習は大きく変わる。熱心に朝早くから夜遅くまで付き合ってくれる先生もいれば、基本的に放置のスタンスをとる先生もいた。授業などの指導方法を押し付ける先生もいれば、本当に自由にやらせる先生もいる。

ちなみに僕の指導を担当してくれた先生は、体育会系で「とりあえず自分の好きなようにやってみな」といった感じの先生だった。その代わり、その日その日で反省はしっかりとくれる。だが、やり方をはじめから固定されることはなかった。

生徒にとっての教育実習

生徒からしたら、実習生は年の近いお兄さんお姉さんといったところだろう。「先生」とは呼びつつも、あまり先生だとは思っていない。

基本的には生徒は教育実習生を歓迎してくれる。ただ、実習生を煙たがる生徒も一定数いる。各クラスに数人は必ずいる。授業が下手だとなおさらだ。自分の生活に突然、異世界の人が来るのだから当然かもしれない。

だが、そんな授業さえも楽しいと思ってくれる生徒も必ず一定数いるから、そこはめげずに自分のベストを出すしかない。

生徒は思ったよりも大人だ。教育実習生の授業では寝ないように気を使うし、いつもよりも授業を盛り上げようともしてくれる。

その時のその人にしかできないこと

ここからが今回の記事で伝えたいことだ。

教育実習とは実習生にとっても、教員にとっても、生徒にとってもその時しかない特別な時間である。

たかが教育実習生でも、その時のその人にしかできないことが必ずある。それを生徒に一つでも伝えられたら、十分だと思う。

だから、指導担当の先生のまねをするのもいいが、自分らしさをどこかで出していくことがとても大切だ。自分にしかできないこと、自分にしか言えないことを出せると、その実習は自分のためにもなるし、生徒のためにもなる。もしかしたら先生のためにもなっているかもしれない。

ずっと遠慮していてはいけない。失敗を恐れていてはいけない。その時その時で、自分がすべきだと思ったことをして、言うべきだと思ったことを言えば、わずか2,3週間でも生徒の人生に役立ったことになる。

それがその時に響かなくても良い。何年後かに「あの時の教育実習生、こんなこと言ってたな」と思ってもらえたらそれで十分だ。教育とはそういうものだとも思う。長期的に良い影響が与えられたなら、それ以上の幸せはないだろう。

実習生の一言で人生が変わる子もいるかもしれない。実習生の存在なんてすぐ忘れてしまう子が大半だろうが、一人でも自分の存在を大事にしてくれる子がいるなら、自分がそこにいた価値は生まれる。

人のためにも自分のためにも、その時の自分にしかできないことをする。これを心掛けていれば、心は随分と軽くなるし、実習期間を有意義に過ごせるはずだ。

未来の教育実習生へ、参考になればうれしい。



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