教育実習で軟式野球部にお邪魔して感じたこと

教育実習

教育実習で、私立中高一貫校の中学校にお世話になった。その中学校には軟式野球部があったので、3週間、毎日中学軟式の練習に参加して、それが終わると高校の硬式野球部に参加した。授業準備も必死にこなしながらの野球の勉強はさすがに堪えたが得たものは大きかった。

中学軟式野球部ではノックを打ったり、簡単にバッティング指導したり、ベースランニングの指導をしたり。自分から何かを教えることは絶対にしないと決めていたが、聞かれたらその場で答えられるものについては全力で答えた。

そんな関わり合いの中で感じたことを簡単にまとめていきたい。

初めて見る中学軟式

僕は練習を見る前、顧問の先生から「部員のほとんどは高校野球に進まない」ということを聞いていた。それを聞いた僕は、軟式野球を見下しているわけでは決してないのだが、少しレベルの低い野球部を想像していた。


だが、いざグラウンドに出てみると、意外とみんな上手なのだ。戦術的なことは、学童野球と変わらないと感じたが、個々の技量は普段自分が見ているボーイズと大きな差はない。

僕は顧問の先生にこの感想を正直に話すと、次のような答えが返ってきた。「中学校から野球を始める子もいるけど、毎日ボールに触れて、走って、打ってを繰り返していると、中学3年で体が大きくなる頃にはそれなりにプレーできるようになっているからね。」

確かになるほどと思った。

※あくまで僕が見た中学軟式に対しての感想です。様々なレベルのチームがあることは軟式だろうと硬式だろうと変わらないことは心得ているつもりです。

毎日やるということ

今回見学した野球部より、うちのチーム(相模原ボーイズ)の方が細かい練習はしているだろう。だが、普段仕事が忙しくて顧問の先生がグラウンドに出られないという状況でも、毎日練習している選手たちはそれなりの動きができている。これはすごく興味深いことだと思う。

成長期の中学生にとって、毎日練習をするということはとても大事なことなのかもしれない。(もちろん週1日のオフはあるそうだ)

終礼が終わってから最終下校までの3時間弱、毎日基礎的なメニューをこなす。そして、週末には土曜にグラウンドの関係で半日練習、日曜には練習試合をして一週間を終えるという。


高校野球でもそうだが、毎日野球をする中で、治らなかった悪い癖が自然と治ったりする。週に数日しかグラウンドに指導者が来れないような環境でも、適度な練習量があることで、一定のレベルまでは上達するのかもしれない。

戒め

もしかすると、これを読んで怒る人がいるかもしれないがあえて書こう。

アマチュア野球において、指導者の力量は、練習量でカバーすることができてしまうかもしれないと感じた。

指導者が間違ったことを押し付けるくらいなら、練習できる場所と時間が与えられて選手が自主的に練習する方が、よっぽど効果がありそうだ。指導者が「俺が育てた」と思っている選手も、もしかしたら誰が見ても同じように育ったかもしれない。


もちろん、良い指導者に巡り合えて、良い指導を受けることができる場合もあるだろう。だが日本中で行われている指導のすべてがそうとは限らない。


一部の一流の指導者を除いて、指導者のおかげで選手が一流に育つなどと言うことは、世間が思っているよりも少ないかもしれないのだ。

最後に

僕はこれまで、中学軟式野球部とは縁がなかった。


小学6年生の冬、入学予定だった中学校の体験入部で顧問の先生から、「ベースランニングのコツは踏み忘れないようにベースの真ん中を踏むことだ」と言われて入部をやめてから、中学軟式野球というカテゴリーには関りがなかった。


だからなおさら、この3週間は勉強になった。受け入れてくれた生徒、顧問の先生には心から感謝している。

部活動の時間に大人がグラウンドにいるということはとても珍しいことらしく、生徒たちはどんどん質問してきた。こういった中学生に、もっと教えることができたら、野球界はもっと良くなるのではないか。部活動の抱えている問題にも目を向けていかねばと感じた。


野球においても色々と勉強になり、部活の長所・短所が見えた教育実習だった。


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