幼少期に触れたトトロ
あなたが生まれて初めて見たジブリ作品は何だろうか?
僕は間違いなく『となりのトトロ』である。
まだ幼稚園に入園する前、時代はDVDではなくビデオテープだ。
僕は『トトロ』をテープが擦り切れるのではないかというほど、繰り返して見続けたという。
確かに、小さい頃、『トトロ』の台詞はすべて覚えていた。
そのくらい『トトロ』にハマっていたのだ。
『もののけ姫』の風景
少し大きくなって、今度は親が『もののけ姫』のDVDを借りてきてくれた。
だが、一番初め、僕は冒頭のタタリガミのシーンが怖くて、見るのを断念してしまったのだ。
しかし、少し時間を空けてもう一度トライすると、もうその魅力から離れられなくなってしまった。
我が家での上映回数ナンバーワンはおそらく『トトロ』だが、間違いなく二位には『もののけ姫』がランクインするだろう。
幼き日の僕は、東の果てから自らの運命を変えるために西へと旅をする少年、アシタカに憧れた。
そして、太古からの森にすむ、山犬に育てられ、もののけ姫と呼ばれる少女、サンに恋をした。
『もののけ姫』も、セリフやBGMの流れるタイミングまで完全に覚えてしまった。
割りばしで弓矢を自作したり、かなりの影響を受けていたと思う。
ふと思い出して触れたジブリの世界
話は今に戻って、2019年6月。
大学4年生の僕は教育実習を終え、忙しかった生活から元の日常へと戻っていた。
その中でふと、自分が幼少期にハマったジブリ作品を見返してみようと思ったのだ。
すると、小さい頃に感じたものとはまた違う魅力を感じることができた。
身体に衝撃が走る。
自分が追っている、見えない何かはこの中にある。
そう感じた。
『トトロ』の舞台となった1950年代の里山。そこには「世間」と呼ぶことのできるような共同体がまだしっかりと残っている。
画面のほとんどが緑色という自然描写の多い場面が続く。
『もののけ姫』では、縄文の香りのするムラから物語が始まり、白神山地や屋久島をモデルにしたと言われるシシ神の森へと物語の舞台が移っていく。
宮崎駿監督の強いメッセージ性が感じられる。
僕の理想の風景が、この二作品には表現されている。子どものようなことを言うが、もしできるなら今から作品の世界に飛び込んでみたい。
僕が、自然との距離の近い東北を好きな理由は、実は小さい頃に見たジブリの影響が大きいのではないだろうか。
なんだかそう思えた。
小さい頃に見た作品の影響は意外と大きい。
自分に子供ができたら、たぶんとなりのトトロを見せるのだろう。
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