【中学野球・高校野球】坊主頭のメリット・デメリット、歴史から考えてみる。

中学野球

坊主って何のため?

高校野球を見ると、ほとんどの選手は坊主頭です。僕も中学・高校時代は当たり前のように坊主でした。それどころか高校野球を引退してもどういう髪型にしていいかわからず、しばらく坊主にしていました(笑)

6年間ずーっと坊主だったわけです。

どうして坊主にしていたかというと「何となくそういうものだと思っていたから」これ以外にありません。

皆さんも同じような感じではないでしょうか。明確な理由があって坊主頭にしている野球選手は、一部を除いてあまりいないのではないかと思います。

そもそもどうして坊主でなければいけないのでしょう?

この記事では、そんな素朴な疑問から坊主について考えたことを書いていきます。

坊主の成り立ち

まずは坊主頭の歴史から見ていきます。とは言うものの、坊主頭の歴史について明確に記されている資料は見つかりませんでした。自分自身の考えと、調べて出てきた説をいくつか紹介します。

仏教から?

坊主はかつて我慢の象徴でした。これは高校時代の日本史の先生が話してくれたことです。

仏教において髪の毛は頭から出た煩悩(余計な考え)の象徴だ」というような話だったと思います。※違ったらごめんなさい

それを伸ばさずに切る(刈る)というのが坊主なんだとか。お寺の和尚さんを想像するとわかると思いますが、今もそうですよね。

軍隊から?

もう一つはよく言われているところですが、野球の坊主には戦争が大きく関係しているという話です。戦争中、日本の軍隊は基本的には坊主が強制されていました。これには精神論だけでなく、怪我をした時の手当のしやすさや、戦地で何日も頭を洗えない時の衛生面も考慮されていたようです。

大正期には、男子学生も坊主が基本になり、戦時体制下に入ると軍隊をまねて庶民でも男子はほとんどが坊主になりました。調べていて衝撃だったのですが戦後も、割と最近まで多くの中学校では校則として強制坊主が残っていたそうです。確かに、坊主の強制こそありませんでしたが、僕の通った中学校も服装や髪型にはかなり厳しかったです。

坊主は「美しい」ものなのか

これらの歴史がどのようにして野球につながっていったのかは詳しくわかりませんが、どうやら日本人は「坊主頭=美」という感覚を持っていることは間違いないようです。

プロ野球の春季キャンプでも丸刈りで報道陣の前に登場する選手がいると、「気合十分」のような取り上げられ方をします。最近だと読売ジャイアンツ小林誠司選手の丸刈りが記憶に新しいのではないでしょうか。

この坊主の清いイメージが「高校生らしさ」と結びついて、長いあいだ「高校野球=坊主」の考えを固定化してきたのだと思います。


「野球をやるなら丸刈りが当たり前!」
しかし、最近はこのような考え方が疑問視されています。ここからは野球界の変化について、ざっくりと見ていきます。

時代の変化

ハマスタに現れるエリート

最近は坊主廃止論を唱える人もだんだん増えていきています。一昔前では考えられませんが、今や主流になりつつある考え方ですね。神奈川で言うと、慶応義塾高校は長いことずっと髪型は自由でした。もちろん誰もが知る強豪校、夏の横浜スタジアムに現れる長髪のエリートたちは、東海大相模や横浜高校をはじめとする伝統校の中でもかなり異質に見えていました。個人的な感想ですが、僕が高校入学の頃、ほんの10年ほど前までは、やはり、「高校球児が坊主でないのは珍しい」という雰囲気はありましたね。

伝統の「KEIO」のユニフォームも相まってか、大学生のようで格好良いんですよね。

常識が変わりつつある令和の時代

2019年、元号が令和に変わった頃からでしょうか。野球競技人口の減少を嘆く声が、ネットを中心に本格的に盛り上がりました。お茶当番廃止論練習の効率化徹底した体罰の禁止、この辺りの議論は以前からもありましたが、本格的に取り上げられる容易になったのは、筒香選手をはじめとするプロ野球選手が動き出したことがきっかけの一つのような気がします。


そんな中で、髪型についても様々な意見が飛び交い、高校野球界でも強制坊主を廃止する高校が全国で見られるようになりました。

その話題の中心になったのはやはり、岩手県屈指の強豪校である花巻東高校でしょう。あの大谷翔平選手菊池雄星選手を輩出し、その指導の質の高さからも全国的に有名な人気校です。


神奈川県で言うと、もともと坊主が強制ではない高校もありましたが、やはり横浜隼人高校の“髪型自由化”は、一時話題になりました。もともと、花巻東高校の佐々木洋監督と横浜隼人高校の水谷哲也監督は深い交流がある。その影響もあってなのか、ほとんど同じタイミングで横浜隼人高校も髪型が強制ではなくなりました

ただ、そんな横浜隼人高校の中でも坊主を貫いている選手も毎年のテレビ中継で目にします。100人を超える大所帯で「なんとか目立とう」という努力もあると思いますが、坊主にも魅力はあるんですね。

ここからは坊主頭のメリット・デメリットについて考えていきたいと思います。

坊主頭にするメリット・デメリット

坊主のメリット

  • 涼しい
  • 衛生的
  • 手入れが簡単
  • 気合が入っているように見える

このくらいだろうでしょうか。自分自身は中学校1年生から疑うことなく坊主にして、正直楽でした。頭を洗うのも簡単だし、寝ぐせもつかないし。

何かをやらかせば、普段は6ミリの頭を3ミリにして行けば一応反省しているという気持ちは表すこともできる。もう坊主が楽過ぎて、高3の夏に引退した後もしばらく坊主頭のままていて、学校の中で浮いていたほどでした。

なんだかもう坊主でいい気もしてしましますが、デメリットも出していきます。

坊主のデメリット

  • 頭への衝撃に対して弱い
  • 見た目が怖い
  • 格好悪い
  • 坊主を嫌いな人もいる
  • 気合が入っている、反省したつもりになる

坊主にするデメリットで思い浮かぶものはこのくらいです。ものすごく多くのデメリットが思い浮かんだわけではありません。

坊主は問題ではない

坊主頭には、当然メリットもデメリットもあります。正直、相手に不潔感を与えず、自分の生活や目的の邪魔にならなければ、髪型はどうでもよいと思っています。

他の髪型と同じで、坊主頭にも当然メリットデメリットのどちらもあるアフロ頭にも目立つというメリットと、手入れが面倒くさいというデメリットがあるのと何ら変わりはありません。

坊主頭が問題なのではない。“強制的に髪型が決められるという仕組み“が問題なのです。坊主は我慢の象徴?

我慢してやっているスポーツならやめた方が良い。好きでやっている野球に格好悪い髪型を押し付けてまで味わう我慢はいらないでしょう。

※個人的には坊主、格好いいですけどね

野球界から排除すべきなのは、坊主ではない。強制坊主なのだ。
坊主頭が好きな人は坊主頭にすればいいし、嫌な人は違う髪型にすればいい。ただそれだけの話だと思います。

まとめ

繰り返しになりますが、坊主頭自体にはなにも問題はないはずです。個人の自由を奪っているというところに問題があるのだと思います。

僕が指導している相模原ボーイズでも、少学6年生が体験入部に来ると、髪型について質問してくる子が非常に多いです。やはり気になるところなのでしょう。もし髪型を丸刈りにされるのが嫌だから野球をやめるという子がいたらそんなにもったいない話はありません。その子にとっても、野球界にとっても大損失です。


うちのチームも2019年4月から強制坊主がなくなりました。こうやって時代の流れに遅れないように、むしろ先駆になるように動いていきたいと思います。


最後までご覧頂きありがとうございました。普段は相模原ボーイズという中学硬式野球チームで指導者をしています。子どもたちも大好きな野球に懸命に打ち込んでいます。チームのホームページもぜひのぞいていってください!



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