ほめことばを活用しよう

中学野球

この前の練習で意識したことがある。それはとにかく褒めることだ。


よくよく考えたら、野球のグラウンドで褒められた記憶は数えるほどしかない。野球には「褒める」という文化があまり根付いていないのかもしれない。

心理学のような話だが、人を育てるには「褒め」と「叱り」をバランスよく使う必要がある。僕らが大好きな野球は、少し「叱り」が多すぎるのではないかと思う。

とりあえずやってみる

その日はホームグラウンドで基礎的な練習だった。僕が担当するのはキャッチャーメニューだ。「フレーミング」という、ストライクを正しく判定してもらえるようにミットを止めてボールを受ける練習をした。

ここで、良かったときはとにかく褒めることを心掛けた。そうすると、やはり選手は嬉しそうな顔をするのだ。当たり前だろう。褒められたら誰だって嬉しいに決まっている。

この時、ふと思った。
うちのチームには野球経験こそ少ないが、選手の野球に対する姿勢や私生活について、とにかく厳しいコーチがいる。しかし、その人は選手に大人気なのだ。何かいけないことがあったらとにかく厳しくしてくれるその人が、どうして子供に好かれるか。それは、良かった時には大げさなほどに褒めるからだ。

一応高校野球までやっている自分からしたら、「そんなに褒める?!」と思う時もある。そのぐらいしっかり褒めるのだ。

ダメな時は叱り、良い時は褒める。
人と接するときの基本中の基本だが、これが一番大事なのだ。このことに気が付いた。

褒めことばのバリエーション

ここで大事なのは褒めことばのバリエーションだ。いつも「良いね!」だけ言っていたら本当にいい時に特別感がなくなってしまう。


「素晴らしい!」「さすが!」「今のいちばんいい!」

こんな風に、達成できたことの度合いによってかける声も変えていく。自然とこっちも感情が入ってくるので面白かった。

普段は人を褒めるということを意識してやっていないので、意外と難しいということが分かった。

そんなに褒めて大丈夫か?

日常的に褒めていると、技術が上のレベルまで伸びないという心配が出てくる。しかし、僕はこの点に心配はいらないと思うっている。

初めのうちは、少しの上達もしっかりと認めるようにする。その後はレベルが上がっていくにつれて、段々と褒める基準をあげていく。

自分が「今日はここまでできるようになってほしい」と思うポイントがあったら、そこに一番近づけた時には一番心を込めて、大きく褒める。

これを繰り返すことによって、自分と選手の目指す基準は明確になって、現状に満足することはなくなるだろう。


僕が中学野球に携わるうえで中期の目標にしているのは、選手に高校野球で通用する力をつけてもらうことだ。その目標に向けて、段々と求めるレベルをあげながら、短期的な課題を達成出来た時には目一杯褒めて、野球をもっと好きになってもらいたい。

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