【3.4.5の呼吸】愛すべき中3受験生に最後の授業で伝えたこと「自分と生きていく」

塾講師

2023年2月11日。中3の最終授業でした。長い子で3年間、週に3回一緒に授業してきました。

最後に社会の授業で、最新年度の入試問題の追検査を扱ってすべての授業が終了。その後は激励会という形で、試験当日の注意と合格発表日までの流れの確認。その後、最後に先生たちから一言ずつエールを送る時間があります。

今回の記事では、僕が小田原で指導した中3生に伝えたかったことを改めて文字にして整理しています。

3.4.5の深呼吸

最終授業までの間に、授業内で伝えたいことはすべて伝えました。ものすごく頑張ってきた。だからこそ、あとは当日しっかりとその力を発揮できるように祈ってる。そこで、最後の最後に伝えたいのは3秒、4秒、5秒の深呼吸だ。

焦って計算ミスをしてしまうとき、呼吸は短いんです。緊張してリスニングの音が聞こえてこない時、呼吸は早いんです。だから自分で呼吸を戻してあげることが大事。

3秒かけてゆっくり吸う。

4秒間息を止める。

5秒かけてゆっくり吐く。


これを何回か繰り返そう。ポイントは4秒止めること。

当日の受験会場をイメージしてみよう。周りの子も君と同じようにその学校に入りたくて勉強してきて、緊張している。ものすごく静かな空間だ。

そんな中で深く息を吸って息を止めると、体の内側から自分の心臓の音が聞こえてくる。もしかしたらいつもよりも速いペースで動いているかもしれないし、意外といつも通りかもしれない。

そうやって耳を澄ますと、自分が緊張しているのがわかる。緊張しているのを自覚している人はミスをしないから大丈夫。

緊張していることを自覚しない人がそのままいつも通りやろうとすると崩れる。緊張している自分を受け入れてやっていくことが大切なんだ。

根拠なんて必要ない

実は3,4,5という数字に科学的な根拠は何一つない。何となく言いやすい数字を適当に並べただけで、覚えやすければ何でもよかった。それよりも、「緊張したらこれをやろう!」というお守りを最後に渡したかった。

なんでもいいんだ。それで自分が落ちつけて、自分を信じられるならなんでも。

みんなが今まで自分の弱点に向き合って、一つ一つ課題を潰してきたからこそ、最後はおまじないのようなものでいい。

この先も高校受験以上に苦しいことはたくさんあると思う。人生における勝負の瞬間は何年かに一回やってくるものだ。その時に、こういうおまじないのようなものを自分の中でどれだけ持っているかが、結構大事なんじゃないかと、最近よく思う。

呼吸法である必要はないし、なにかテクニック的なことでなくてもいい。「これだけやったら大丈夫だ。」「自分なら大丈夫だ」というように、頼りない自分を信じてあげられる材料を持っている人は土壇場で強い。

その貴重な財産の一つをこの高校受験で得たんじゃないか?

結果は2月28日に判明する。これ以上残酷なことはないと言っていいくらい、きっぱり点数で合否がわかれる。当然、募集人数に限りがあって倍率というものがある以上、満開の桜が全員に咲くわけではない。

それでも、この高校受験で得たものが消えることは絶対にない。結果がどうあれ、色々なことを我慢したこの1年間が無駄になることはあり得ない。もちろん、この先の自分次第ではあるが、この経験はこの先生きていくとき、必ず自分を守ってくれる。

そう。何とか乗り越えた高い壁は、乗り越えた後には自分を守る強くて太い壁になってくれる。そういう経験を出来た君たちが羨ましいし、誇りにさえ思う。

自分と生きていく

深呼吸の話でも伝えたが、緊張している自分を自覚することが大事。これは受験に限らず色々なことでもいえると思う。大人でも緊張することはある。布団から出たくない日もある。

それでも、気が乗らない自分、やりたくない自分を受け入れて、「やらない理由」よりも「やる理由」を自分に言い聞かせて毎日生きている。この1年間もその連続だったんじゃないかと思う。

「あの子はできているのに自分は全然伸びない。」「本当はもっと遊びたいのに。。。」

そんな時にも、結局自分にやれることは目の前のできないことを出来るようになるまで練習することしかないのだと気づき、愚直に机に向かってきた。それが受験生になるということだし、大人になるということでもあるんだと思う。

弱い自分と生きていく。
逃げたい自分と生きていく。

人が一生を過ごす中で一緒にいる時間が一番長いのは自分自身です。

自分を鼓舞して、自分にポジティブな言葉を言い聞かせながら進んでいくことが大事。人の一生は自分に言い聞かせた言葉の集大成だという。強い言葉を投げかけられる自分でいよう。

そのために、自分との約束は守ること。それを繰り返していくと、自分以外の周りの人にも、強くて優しい言葉をかけることができるようになる。大人になるってそういうことだと思う。

応援される人に、そして誰かを応援できる人に。

4月から新たな場所で頑張るみんなを、遠くからではあるけれど引き続き応援してます。

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