原っぱで見た中学生のトライアウト
ドミニカの子供たちがメジャーリーグのアカデミーに入るためにはトライアウトに合格しなければならない。今回はたまたまそのトライアウトが行われているところを覗くことができた。 その様子は日本人が想像するトライアウトの風景とはまるで違う。まずグラウンドが「こんなところで」といった劣悪な環境なのだ。グラウンドは砂利だらけでぼこぼこ、ベースはビニール袋、ライト線は明らかに下り坂で平らではない。
そんな環境の中、集まってきた子供たちは順番にウォーミングアップを始める。少し走った後、日本でも見慣れたアップをこなし、ゆっくりとキャッチボールに移っていく。
一投目から指にかけて投げるキャッチボール
キャッチボールで驚いたのはボールの速さだ。一球目から相手の顔付近に勢いのあるボールを投げ込む。そういえばアカデミーの試合でもキャッチャーの返球はものすごく早かった。そもそも軽く投げるという考え自体がないのかもしれない。
インサイドアウトの意識で行うバッティングプラクティス
キャッチボールが終わるとバッティングが始まった。どうやらトライアウトはここからのようだ。L字ネットを10mもないくらいの距離において、大人がバッティングピッチャーをする。この形をバッティングプラクティス(=BP)と呼ぶ。一見日本のフリーバッティングと同じように見えるが、よく見ると打球の質が日本とは違う。 このバッティングプラクティスでは、打球は投手を中心に逆方向へ飛んでいく。たまに引っかけて内野ゴロになることもあるが、基本的には右打者ならピッチャーライナーや右中間へのライナーが多い。
このグラウンドではⅬ字型のネットもかなりボロボロだった。至近距離でかなり早い打球が飛んでくる。自分なら怖くてあのネットでバッティングピッチャーはしたくない。
僕のバッティングピッチャーでのトラウマの詳細は下の記事に。↓↓
金属バットの弊害
ドミニカの選手は中学生(プログラム)でも木製バットを使用する。インサイドアウトのバット軌道で、ポイントを体の近くに置き、センターから逆方向に向かって打たないと打球は飛ばないのだ。
金属バットが主流の日本では高校生でも体の前でボールを捌く選手が多い。だから甲子園では当たっていた選手が、秋に行われるU18の国際試合になるととたんに打てなくなったりする。金属バットの弊害について、知識として知ってはいたが、この目ではっきりと見て、かなり深刻な問題だと思い知らされた。
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