今回も忘れたころにポストに届いた。いつもの見慣れた包装の中には、プロ野球選手のイラストがどでかく書かれた表紙が見える。
僕は『中学野球太郎』と『ベースボールクリニック』の野球雑誌二冊を定期購読している。今回届いたのは、『中学野球太郎』の方だ。『ベースボールクリニック』に比べて、比較的娯楽要素の強いこの雑誌は大学までの往復3時間があれば大体は読めてしまう。
今回は『中学野球太郎』のvol22を読んだ感想を記事にしようと思う。
大人気選手の独占インタビュー
表紙をめくるとすぐに出てくるのは、ソフトバンクの甲斐拓也選手と西武ライオンズの源田壮亮選手だ。
高校時代の話などが載っていて、とても興味深い。今回は「必殺技」特集らしい。甲斐選手はご存知「甲斐キャノン」が必殺技だ。そして、源田選手は何と言ってもそのフィールディングだろう。
甲斐キャノンの秘訣は捕球時の左脚の踏み込みにあることや、源田選手のトヨタ自動車時代のテニスボールノックなど、メディアにはすでに必殺技の秘訣が出ている。
ここでもその話題は出ていたが、甲斐選手の「内野経験が捕手の動きに活きている」という話や源田選手の一歩目の秘訣など、改めて勉強になる部分もたくさんあった。
中学球児向けの雑誌ということもあり、中学生に向けたメッセージも時折書かれているので、中学球児は読んでみるといい。
後半には、中学から野球を始めてプロ野球選手になり、開幕投手まで上り詰めた上沢投手の記事も出ている。このように、中学で思うような結果が残せていない選手の励ましになる記事もたくさんあるので、指導者も目を通しておくといいと思う。
ここでも野球人口減少について
後半は野球人口減少のテーマについて紙面がとられていた。やはり軟式硬式問わず、野球人口の減少は現実的な問題として、関係者の頭を悩ませているのだろう
それについての高校や中学校の取り組みなども書かれていて、参考になるものが多かった。
『中学野球太郎』には枚方ボーイズなどの強豪チームの取り組みが書かれており、スキル面でも参考になることがたくさんある。今回も二塁・三塁ランナーのリードのとり方で、面白いと思ったものがあった。
だが、野球人口減少に対する取り組みや、野球未経験者を歓迎するチーム作りなど、経験者しか語れない特殊な話題がたくさん出ていて、とても参考になる。
うちなんて、野球人口減少に伴う選手募集の苦労もリアルな問題として抱えているし、いつ野球未経験の選手が入部してきてもおかしくない。
野球人口は減少しているが、硬式クラブチームの門をたたくハードルはここ十年で著しく下がっていると思う。これはとてもいいことなのだが、昔と同じ指導では通用しないことを示している。
野球が「見るスポーツ」に変わりつつあるというが、それを何とか食い止めるために、他人ごとではなく自分の身近な問題として、競技人口の問題に向き合う必要性を感じた。
最後に
こういう雑誌や本、動画などを見て、自分の引き出しが増えなければ意味がない。ただ、読んだことをそのまま受け売りは良くない。納得していないことを教えるわけにはいかないだろう。
まずは自分の中で噛み砕いてから、使えそうだと思ったら、試してみよう。使えないと思っても、「今は」使えないだけかもしれない。その時が来るまで自分の中にしまっておこう。
この一連の勉強と情報の取捨選択、アウトプットの流れを表す、「精査する」という言葉を尊敬する指導者の先輩からもらったことがあったな。
指導者は「精査」の繰り返しだ。その材料を選手からもらうこともあるから、また面白いのだ。
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