【読書録】「サードドア」―精神的資産のふやし方―

読書録

何者でもない自分が成功者になるためにはどうすればいいのか。ビル・ゲイツ、レディー・ガガ、スティーブン・スピルバーグ、クインシー・ジョーンズ、誰もが知るあの人はどうやってキャリアを上り詰めたのか。この本は成功への抜け道、というよりも成功するための考え方を教えてくれる。

どうして読もうと思ったか。

この本は中学時代の野球の先輩にオススメされた本だ。僕は誰かに本を勧められたら、その場でAmazonの画面を開きその場で購入する。

今回も、先輩と高田馬場駅のカフェで7年ぶりくらいに再会し、近況報告をしあっていた時にポチっと購入したのだ。

調べてみると『サードドア』はもとは英語で書かれた本で、日本に来る前には全米のベストセラーとなっているらしい。満を持して日本語版が発売されたということだ。

なんとなく、本屋に平積みされていたり電車の広告に出ているのは知っていたが、オススメされるまで読んでみようとは思わなかった。

本に限らず、出会いは解釈の問題だ。偶然ととるか必然ととるか、それを運命ととるかは人それぞれだが、僕は些細な出会いでも、自分に必要なものだと思って大切にしようと心掛けている。

そんな思いから、僕は『サードドア』を読むことにした。

本の概要

人生、ビジネス、成功。
どれもナイトクラブみたいなものだ。
常に3つの入り口が用意されている。

ファーストドア:正面入り口だ。
長い行列が弧を描いて続き、入れるかどうか気をもみながら、99%の人がそこに並ぶ。

セカンドドア:VIP専用入り口だ。
億万長者、セレブ、名家に生まれた人だけが利用できる。
それから、いつだってそこにあるのに、
誰も教えてくれないドアがある。
サードドアだ。

行列から飛び出し、裏道を駆け抜け、
何百回もノックして窓を乗り越え、キッチンを通り抜けたその先に―必ずある。

ビル・ゲイツが
初めてソフトウェアを販売できたのも、
スティーブン・スピルバーグが
ハリウッドで史上最年少の監督になれたのも、
みんなサードドアをこじ開けたからなんだ。

アレックス・バナヤン『サードドア』(東洋経済新報社、2019)


筆者のアレックス・バナヤンは大学時代に、どうやってキャリアを積めばいいのかわからない同年代の若者のために、成功者がどのようにしてそこまでたどり着いたのかをインタビューをして、それを一冊の本にまとめるという一大プロジェクトに乗り出した。

ただ、誰もが憧れる経営者やビジネスマン、歌手などの成功者はインタビューどころか、メールの返信をもらうことさえとても難しい。

そのような中でも、アレックス・バナヤンには協力者がいて、様々なことを学びながら、次第にプロジェクトを成功していく様子が描かれている。




あなたには見たい景色があるか?僕にはある。そんな僕は幸せ者だ。今、大きな夢や目標が頭に思い浮かんだ人も同じく幸せ者だ。
マズローの五段階欲求というものを少し調べるとわかるが、実は夢を持つということは、とても恵まれていることなのだ。

それはさておき、夢があって、ただそこまでどのように近づいていけばいいのかわからないという人には是非お勧めしたいのが、この『サードドア』だ。

アレックスの苦悩を通して、どのようにすれば、平等のように見えて実は平等ではないチャンスをつかめるのかが見えてくる。

ナルホドな箇所

インサイドマンを見つける

スティーブン・スピルバーグについての部分に書かれていることだ。インサイドマンとは自分が近づきたい、中に入りたい組織の内部に、自分を誘い入れてくれる人だ。もちろん人脈を作るのは大事なことだが、内部の人一人とつながりを持ってしまえば、その先の手間はうんと省ける。

もちろんスピルバーグ監督にはとてつもない能力があったわけだが、最初に作品を見てもらえたのはやはり彼が行動したからだった。

信用を借りる

このブログはただの成人男性が書いているものにすぎない。今僕が、「世紀の大発見をした。全く新しい人体の細胞を見つけた!」と言っても誰も信じないだろう。

だが、何かの間違いで世界的な科学雑誌『NATURE』にでも掲載されてしまったら、たちまち世の中の人は僕の主張を信じるだろう。

これは一歩間違えると僕の大嫌いな権威主義につながるが、人からの信用を得るにはもってこいだろう。

一つ大きな仕事をしてしまえば、そこから信用を借りて、その結果その後の活動を有利にすることができるのだ。

成功とは自分の欲求に優先順位を付けた結果

やりたいことは沢山ある。それは世の成功者もそうだったかもしれない。だが、本当に上まで上り詰めた人は、そのこと一つのために、他のことを犠牲にした人たちだ。

稀に天に二物も三物も与えられている、何刀流かわからないような羨ましい人もいるが、少なくとも僕はそれではない。

やはり、自分の欲にも優先順位をつけて、今やるべきことを明確にすることが大切だと思う。

見栄とモチベーションは共存する

「たいていの人間は自分のやっていることについて、なぜそれをやっているのかとじっくり自問することはない。自問したとしても、たいていは自分に嘘をつくんだ。」

なるほど確かにそうかもしれない。僕は今、仕事でもプライベートでも中学生と一緒にいる生活を選んでいるが、それをなぜしているかを自問すると、比較的きれいな言葉ばかりが出てくる。

ただ、もっと深く自問すると、エゴも出てくるのだ。これが自然なのではないか。この本にも書いてあるが、エゴは健全ではないが、エゴ(自我)を持っているのに、それを隠す方がよっぽど不健全だ。

教育ということで考えると、自分に対しても不健全だし、自分に正直になれていないという点で子供に対しても不健全だともいえる。

見栄とモチベーションは共存するのだ。

みんな人間が好きなのさ

メールボックスの中の、誰ともわからない名前を好きになる人なんていない

その通りだ。僕は野球でも受験指導でも、「何か話を聞きたい」と思った人の所へは時間が許す限り会いに行った。そうすると必ず良くしてくださるのだ。教育業界だからというのもあるだろうが、やはり面と向かって誠意を伝えることは大切なのだと実感する。

一方で、会いに行くのが怖くて、メールを送って終わりにしてしまったこともある。そうするとやはり、関係は長続きしない。

いくらSNSが便利でも、やはり本当に話を聞きたい人へは自分の誠意が一番伝わる形でお願いするのがベストなのだ。そしてそれが今も昔も変わらない人間のあるべき姿だと思う。

家族への想い

アレックス・バナヤンがプロジェクトを始めるときには家族は猛反対した。何しろ医学部を休学して、先の見えないインタビューの旅に出るのだ。

それを振り切ってインタビューを始めるわけだが、バナヤンはひと時も家族への想いを忘れていない。それはこの本を通して読めばわかる。

バナヤンもまた、この本に書かれている成功者と同じように、夢をつかんだ人だが、そこまでの激動の日々でも家族をないがしろにすることはなかった。このような本で、あとがきではなく本編で家族の話が頻繁に登場するのは珍しい。

終盤に書かれている、父親が亡くなってしまう場面では、死に対する向き合い方も書かれている。

プロジェクトの性質上ともいえるが、バナヤンは本当に多くの人とのつながりを大切にしている。どれだけ便利な世の中になっても、結局そこは残っていくことだろう。

この本からの一番の学びはそこかもしれない。。。

最後に

人生は決断の連続だ。絶えず決断を繰り返している。それが未来を創っていくのだ。

僕がこの本を読んだのも小さな決断だし、この記事を書いたのもまたそうだ。

せっかく読んだなら、何かそこから学んだことを頭の中だけの仮想世界だけでなく、現実世界に反映させたい。


この記事が、あなたの「面白そうだな、『サードドア』読んでみるか」という決断につながると、これ以上の幸せはありません。

最後まで読んでくださりありがとうございます。

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