雑木林の中に地面はデコボコ、ライトフェンスまでは60mもないような「野球場」があった。そこではプログラム(12~16歳程度)の試合が行われていた。
バックネット裏には地元の人と思われる若者を中心に、応援のようなヤジのような観客が比較的多くいる。下手したらアカデミーの試合よりもギャラリーが多かったのではないか?
とにかくものすごい雰囲気だった。
ピッチャーは一球投げるごとに、「なんで振らないんだ!打てよ!」といった感じでバッターを挑発する。塁に出れば、セットに入ったタイミングでいきなり走り出す。小石だらけのグラウンドでヘッドスライディングをして、ちゃんとセーフになるのだ。かれらは間違いなく東海大相模よりもアグレッシブで、健大高崎よりも機動破壊していた。
審判は主審が一人でやっているのだが、少しでも判定に気に入らないことがあると、すぐに「盲目野郎!」とヤジが飛ぶ。スペイン語で何と言っているのかはわからないが、ものすごく汚い言葉を発していることは口調と顔でわかった。(盲目野郎は訳してもらった)
そのような雰囲気だから、一球ごとにすごく盛り上がる。
そして最終回。動画にまとめてあるが、勝った瞬間の盛り上がりが半端ない。第一回WBCで優勝したときのようなブチ上がり方だった。
マウンドに集まり円陣の初期段階のようなことをしている。よく見るとコカ・コーラのペットボトルの他にバットも空を飛んでいる。
自分はここまで野球に感情を出したことがあっただろうか?この子達は本当に野球が好きなのだ。これが野球の原点だと思う。メジャーリーガーの卵であるアカデミーの選手たちを見れたのも、とても貴重な経験だったのだが、小さな町のリトルリーガーを見ることができたのが自分にとっては大きかった。
できれば自分の教え子にもあの試合を見せてあげたかった。野球とは本来このくらい楽しく、勝利に貪欲にやるものなのだと。
そういう思いで、いつまでも野球に携わりたいし、教え子や後輩には野球を続けてほしい。
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