【登山】西丹沢から檜洞丸(標高1601m)に登ってきた。

地元

2024年夏、丹沢山系の一つである檜洞丸(ひのきぼらまる)に登ってきました。難易度は高くない山ですが、登山口から山頂まで3時間以上かかったので、初心者が行ける山としては歩行時間が長く手応えがある方だと思います。

6時半に西丹沢ビジターセンターに到着

4時台に家を出て、車通りがまだそんなに多くない国道246号を通ってひたすら西に向かいます。松田町まで行ったところで右に曲がり、山北町に入ると、そこからさらに山を登り、丹沢湖を通り過ぎた西丹沢ビジターセンターという場所に車を止めました。お盆でキャンプや川遊びの家族ずれがたくさんいましたが、何とか一台分あいていた駐車場をゲットできました。マイカーでふもとまで行く人は、西丹沢ビジターセンターを目指していくといいと思います。

ビジターセンターからアスファルトで舗装された道を500m歩くと、登山道の入り口が見えてきます。熊鈴を持っていなかったので、ひたすら話しながら登りました。登山開始は6時45分頃です。

ゴーラ沢出会

登山道に入ってしばらくすると、堰堤(えんてい)が見えてきます。沢が合わさった場所になるので、歩いて沢を渡り奥の登山道を目指します。大きめの石の上を通るようにすれば濡れずに済みますが、雨の後などで水量が増えていると濡れずにわたるのは難しいかもしれません。登山道から50分ほどでここまで来ました。

二つの沢が合わさるので「出会」という名前

登山道で理科の先生に出会う

ゴーラ沢出会を出ると、本格的な山道になります。いきなり鎖が出てきて、本格的な山登りが初めてだという友人もびっくりしていました。ただ、完全な鎖場というよりはあくまで補助的についている鎖という感じで、技術的な何度もそこまで高くないかなという感じ。軽装登山の範囲で険しさを楽しめるという良い塩梅です。

このあたりで、高校教諭だという方にお会いしました。時折立ち止まって双眼鏡で上を見上げたり写真を撮ったりしていたので、「バードウォッチングかな?」と思っていましたが、話を聞いてみると違いました。登山道から見える木々の観察をしていたそうです。

話を聞いてみると、30年前の学生時代は横浜国立大学で研究をしていたそうで、丹沢の植生を専門にしていたそうです。「30年前は山頂の木も元気だったが今では立ち枯れしてしまって…ただ少し元気になりつつある」そんなお話でした。

生徒によくその話をするそうなのですが、実際にこの目で見てみようとかなり久しぶりに檜洞丸を目指して歩いているということでした。長野県の高校の先生だというその方はとても穏やかで、こういう先生に教わるとその教科が好きになるだろうなと、生徒さんがうらやましくなります。

最近読んだ本、辻村深月「この夏の星を見る」に出てくる「綿引先生」もこんな感じなのかな?などとふと思ったり。

登山道ではすれ違う人と自然に挨拶をしますし、会話も生まれて思わぬ出会いもあったりするので、一期一会を体感できます。

檜洞丸山頂に到着

ゴーラ沢出会から約2時間、登山口からは約3時間15分。無事山頂に到着しました。台風が近づいていたこともあり、雲が多く景色は微妙。特に山頂付近はガスっていたので、富士山は見えませんでした。

それでも3時間かけて歩いてきて、「檜洞丸」と書かれた標識を見ると感動します。脚はがくがくなんですが、またやりたいなと思ってしまいます。登山の不思議な魅力ですね。

山頂から1分半ほど歩くと「青ヶ岳山荘」という山小屋があります。無人でしたが、綺麗にされていてまた営業中に来たいなと思いました。100円のチップを払ってトイレをお借りしました。

青ヶ岳というのは相模原市緑区側から見た檜洞丸の呼び名だそうです。西丹沢の山北町から登り始めたのですが、山頂は相模原市緑区にもまたがっているそうです。遠くには静岡の街並みや山梨県道志村側の景色も見えました。丹沢の大分奥の方まで来たんだという実感がわいて、さらに達成感がこみ上げてきます。

先生と再会

下山し始めて数分後、ゴーラ沢出会のあたりで会った先生と再会しました。そこでも植生の話になり、質問したら詳しく即答してくれました。山頂に近づくにつれて、黄色い花ばかりが目に付くようになっていたので気になっていました。

うっかり名前を忘れてしまったのですが、「毒草で、鹿が食べ残すからこの花だけが残ってしまう」という話を聞きました。登山客による地面の浸食や踏圧だけでなく、シカなどの野生動物の食害もあるんですね。

神奈川県も、大切な丹沢山系の自然を守るために山頂付近は柵で保護をしているようでした。貴重な水源になる山で、観光資源にもなるので行政も動いているということでしょうか。その柵の内側と外側では植生に違いがあることも、先生に指摘されて気づきました。

「山頂付近は日差しが強いな」と思っていましたが、それは木が枯れているからで、本来は山の中腹と同じように木が茂っていないとおかしいのだということです。確かに、先生に言われてあたりを見てみると立ち枯れしたブナの木があちこちにありました。やはり専門家に話を聞くのは面白いです。「僕なんかはアマチュアですよ」なんて謙遜されていましたが、大学教授のような研究職でなくても、探求心を持ち続けて学び続けている人は専門家です。

改めて、この先生の生物の授業を受けてみたいなと思いました。

下山

帰り道は重力に身を任せてすいすい下ります。そうは言っても、足の置き場を一つ間違えると大けがにつながるので目は疲れますしだんだんと脚の前側が疲れてきます。それでも帰り道はかなり良いペースで下ることができました。

登りは3時間15分ほどかかりましたが、帰りは2時間半もかからずに戻ってこれました。

途中、ラストスパートをかける前にゴーラ沢出会で水浴びして、15分くらい休みました。水が冷たく、最高の休憩所でした。

そこではひたすら意思をひっくり返している人に会い、話を聞いてみるとサンショウウオを捕まえていたそうです。意思をひっくり返すと、100回に一匹ほどの確率でサンショウウオがいるんだとか。

試しに石の裏を見てみましたが、オタマジャクシしかいませんでした。「カジカガエルのオタマジャクシですよ」とすぐさまその人が教えてくれます。植物博士の先生や水辺の生き物マニアに出会い、何かに熱中して詳しいって格好いいなと思いました。

オタクとか、マニアとか、学校では馬鹿にされがちです。一つのことを突き詰めるのはスポーツだろうと芸術だろうと学問だろうと、すごく大変なことです。そこに楽しさがあります。そして、一つのことに夢中になっている人は格好いいです。そういう人から聞ける話は深くて面白い。

疲れた以上に、自分も頑張ろうと思えた山登りでした。

蛭ヶ岳に登りたい

今回の檜洞丸に登って気づいたのですが、それなりに神奈川県内の山は登ってきたみたいです。大好きな大山や、新卒の同期といったバカ尾根、そして今回の檜洞丸。

まだまだ、知らない場所もたくさんありますがそろそろ神奈川最高峰の蛭ヶ岳に登りたいなと思っています。ただ、蛭ヶ岳は丹沢山地の奥の方にあり、山と山をはしごしないといけないんですね。今回の檜洞丸もかなり大変でしたが、檜洞丸の山頂からさらに4時間ほどアップダウンを繰り返さないといけないということです。

テント宿泊もありな歩行時間になってしまいます。朝早く動けば日帰りも行けそうですが、それなりの準備が必要になりそうです。趣味で年に数回やっている登山の、一つのゴールは丹沢山地を制覇することにします。そのためには蛭ヶ岳をクリアしなければ。

間を開けすぎないように、定期的に山に行って目標達成できるように頑張ります。

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