【セミナー】スポーツの価値についての再考(投球障害に関するセミナー@武蔵小杉)

野球

馬見塚先生とベースボール&スポーツクリニック

8月19日の夜、僕はドミニカ行きの話のきっかけをくださった先生に電話で挨拶と報告をした。その流れから、今度は翌20日に武蔵小杉のベースボール&スポーツクリニックで開催される、高校生年代の投球障害予防に関するセミナーに参加させていただけることになった。

今回のセミナー講師は馬見塚尚孝先生だ。馬見塚先生は『野球医学の教科書』という著書で知っている人も多いのではないか。筑波大学野球部のチームドクターなどもされている方で、大船渡高校の佐々木投手の治療も担当しているそうだ。その他、FacebookやTwitterの投稿を見ていても、女子野球の加藤優選手など、結構有名な選手もクリニックに訪れているようだ。


ベースボール&スポーツクリニックは、馬見塚尚孝が2019年の4月に武蔵小杉のオープンした、スポーツに特化したクリニックだ。武蔵小杉の駅前のおしゃれなビルの一階にある。

セミナーの内容

セミナーの内容、とは言っても、細かな内容をここで紹介するわけにはいかない。ここでは大まかにどのような学びを得たのか、また自分がどう思ったのかを紹介しようと思う。

指導の理念

まずは理念についてのお話からだった。『野球医学の教科書』という、有名な本だが、かなりわかりやすいタイトルとなっていることがわかると思う。このキャッチ―且つどんな内容の本なのかが一目でわかるタイトルは、実は決定までにかなり悩まれたのだそうだ。


「論文のレトリック」 
これは、現在卒業論文を書き進めている自分には特に重要なことなので印象に残っている。内容が伝わり、短い言葉で構成されたタイトルを決めるのは実はとても難しい。タイトルは内容をすべて含んでいなければいけないが、広すぎてもいけない。



著書名と同じく、クリニックにも理念があるというお話もあった。理念がないと組織はうまく動かない。

VUCAの時代

  • Volatility(変動性)
  • Uncertainty(不確実性)
  • complexity(複雑性)
  • ambiguity(曖昧性)

これらを総称してVUCAという。これからの時代を表す言葉だ。しかし、このような先の見えない変化の時代でも、理念は変わってはいけない。理念はしっかりと柱になっていなければいけない。だから理念が大事なのだ。

スポーツの価値

文武両道という言葉が広く使われている。野球界でもよく聞く言葉だ。野球も勉強も頑張る。素晴らしい。ただ、この言葉には人間的な魅力は含まれていない。言葉尻だけを捉えて屁理屈を言うようだが、セミナーで教わったことに付け加えて、文武両道からその先を考えてみたい。

アメリカでは、子供の成長に様々な機関、環境が影響を及ぼしている。家庭・学校・地域・スポーツ・宗教。これらが子供の成長過程に影響力を持っている。では日本にあてはめて考えたらどうか?

日本における家庭


まずは何と言っても家庭だ。これは日本でも大した変わりはないだろう。なんだかんだで家の考え方や親の教育の影響は死ぬまで一生ついて回る。人が育っていく中で、家庭環境の影響は無視できない。

日本における学校

学校も同じく日米で共通して、子供の成長に大きな影響力を持つ。特に小学校の先生などは一日中その子どもと一緒に過ごすことになる。義務教育がある以上は、原則すべての小中学生は学校に通っていることになる。

日本における地域

次に地域だ。これも日本と変わりはないか?最近の日本では徐々にご近所づきあいが薄れている気がするので、この辺りも少し変わってきているかもしれない。「世間」がなくなりつつあるのだ。

自分もあまり経験がないのだが、一昔前は近所の人に叱られるということも普通だった。今の小学生は近所のおじさんに説教されるなんて、あまりないのではないか。これは歴史学・民俗学・社会学の話だが、今の日本ではSNSの普及やグローバル化に伴って、「世間」がどんどんなくなっている。

日本におけるスポーツ

次はスポーツ。スポーツは子供の成長に大きく関係している。これは日米共通だろう。すべての子供がそうではないが、スポーツがその子供の人格形成に与える影響は大きい。日本では特にそう考えられているようだ。

スポーツと言うと対象が狭くなってしまうので課外活動と言っておこうか。学校の勉強以外の活動を通して得られるものはとても多い。均一的な教育に対して、個性が育つのはスポーツなどの課外活動ではないかとも思う。

日本における宗教

最後の一つが日本ではあまり一般的ではないところだ。日本でも特定の宗教を信仰している人はいるが、大多数がクリスチャンであるアメリカと比べると状況は変わってくる。無宗教の日本人にとっては、宗教が教育に関わっているという感覚はあまりないのではないか。よくよく考えてみると、仏教をはじめとするさまざまな思想が道徳的な教えには入り込んでいるが、何か特定の宗教から大事なものを学んだという実感はあまりない人が多いのではないだろうか。

スポーツ=人格形成

アメリカと比べて、日本ではスポーツにかかる期待が大きいのがわかるだろうか。人材育成という大事な部分が、日本では宗教・地域ではなくスポーツに期待されている。だからこそ、スポーツを教える立場にある人は、その競技の技術はもちろん、人間的魅力を伝えなければいけないのだ。

スポーツの価値はそこにある。特に日本においてはそうなのだろうと思う。

license制度

子供の成長に関わるうえで大切な要因であるスポーツ。そのスポーツの質をもっと上げるためには、指導者の質が重要になってくる。だから、ライセンス制度が大切だという話になってくるのだ。


ボーイズリーグではここ数年、指導者講習会を開催している。僕は毎年楽しみにしているのだが、もっと回数を増やしていいとものだ。だが、そうすると、現場に出られる時間が少なくなってしまう、費用がかさむ、など様々な問題が出てくる。ここで僕が提案したいのは、指導者講習会を動画配信制にするということだ。毎月でも二カ月に一度でも、講習動画を見た指導者はその内容と感想を本部に送る。

面倒かもしれないがそのくらいはできないと、子どもたちの前に立つ資格はないのではないかと思う。まぁ、これはただの大学生の一提案にすぎないのだが、指導者の講習については申し越し進歩が必要だと思う。免許制とはいかなくとも、常に勉強を更新する機会は与えられないと、いくらアップデートしろと言われてもボランティアでやっている以上は難しいところもある。この辺りはもう少し前に進みたい。

まとめ

セミナーの紹介というよりは、その内容を受けて自分の思ったことをアウトプットするという形になった。上記の通り、意外と投球障害の話よりもコーチングや組織論の話が多かった。

障害予防などに関しては、『野球医学の教科書』や雑誌『ベースボールクリニック』の連載を見て、またこれからも勉強しようと思う。

二次会も盛り上がり、野球界の様々な立場の人と交流を持つことができた。ドミニカの話に続いてこのような機会を与えてくださった先生には、どれだけ感謝してもしきれない。


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