2020年OB会を終えて

相模原ボーイズ

僕の所属しているチームでは、毎年1月3日にOB会が開催される。前年に卒団した高校一年生から、二十歳を過ぎた卒団生も集まるその会は、後輩である在団生に高校で学んだことを伝える場であり、また卒団生たちの同窓会のような場でもある。

昨日、今年も無事に開催された。

高校一年生のための場という側面

OB会はすべての卒団生のためにあるのだが、毎年高校一年生が一番盛り上がっているのように見える。やはり初めて参加する年だからだろう。「高校でも頑張ってます!」という姿をチームの後輩や指導者に見せる場でもある。

1月3日という日程もあってか、毎年各学年の全員が参加するわけではないのだが、高校一年生は参加率も高い。

シートノック

昨年からはOB・現役対抗でソフトボール大会が行われるようになった。それもなかなか盛り上がるのだが、OBにとって一番の見せ場はシートノックだ。

それぞれの高校のユニフォームを身にまとった選手が次々にボールを受けるシートノックは、外から見ていても迫力があるし、僕自身キャッチャーとして一緒に混ざっていてもすごく楽しい時間だ。

一番うれしかったこと

シートノックとソフトボール大会が終わると、写真撮影会の前に現役高校生のOB・OGから、現役中学生に向けて、一言話をする時間がある。それについて、ここでは何に忖度する必要もないので思ったことを正直に書きたいと思う。

一番堂々と、素晴らしい話をしてくれたと思ったのは、現役高校三年生の代(29期)のキャプテンだった子だ。「親にもう少し自分のユニフォーム姿を見せてあげたかったという後悔がある」といった話を、中学生に向けて堂々と伝えてくれた。終わった後に中学生に聞いても、多くの選手がその話が印象的だったと話していた。


それ以上に僕が印象に残っている話がある。それは現高校二年生(30期)のある選手の話だ。彼は少々の吃音があり、中学時代にも人前で話すのがあまり得意ではなかった。

しかし、今回は少しつっかえながらもスムーズに、内容的にも素晴らしい話をしてくれた。人前で話すというのは、とても難しいことだ。僕が子どもの前で話すのだって多少の緊張はする。話が苦手な人ならそれはなおさらだろう。

だからこそ、話すのが決して得意ではなかった彼が一つ一つ言葉を探しながら自分が高校で学んでいることを話している姿を見て、「あぁ、良い高校に入れたのだな」と安心したし、そんな素晴らしい子と一緒に野球を出来ていたことにありがたさを感じた。

寂しかったこと

皆の楽しそうな顔が見れた。成長した姿が見れた。自分にとっての学びがあった。だがその一方で寂しいと感じることもあった。

まずは高校1年生だ。体は大きくなっているし、技術も伸びている子は伸びていた。ただ、もう少し堂々と人前で話を出来るようになってくれていると良かった。大きな声ではきはきと、それだけでその人の印象はだいぶ変わる

まあ、昨年の今頃までは中学生だったわけだし、少しずつなのかもしれない。来年は、「やっぱり高校生はさすがだな」と思わせてもらいたい。また来年も、今年のように大勢で来てくれると嬉しい。

その点、高校二年生・三年生は、同期で楽しむ時にはふざけていても、人前で話し始めると、さすがは高校生だなと思えるスピーチをしてくれた。特に高校三年生は、もうほとんど大人だ。

高2の代は、参加者が4人だったことがとても寂しかった。来れない理由は色々あるにしろ、「そんな理由を優先してこないのか…」というものもあった。

僕は新しいこと好きなようで、意外と古い人間だ。お世話になったチームに恩返しの気持ちも込めて、自分の頑張っている姿を見せるのは大事なことだと思う。


チームに良い想いがないと、人は戻ってこない。新入部員募集に苦労している中で、卒団生の参加が少なかった今年のOB会は、今年も盛り上がって良かったと思う半面、何か不気味さのぬぐい切れない会だった。

自分の反省として

やはり毎年、少しでも多くのOBに戻ってきて欲しい。1月3日はチームの中で最も大切な日だと言っても過言ではない。だからこそ、多くの人で賑わう半日にしたいという想いがある。それが戻ってきてくれる卒団生のためでもあるし、また、これから高校野球を志す中学生のためにもなる。

そのために、一つは参加してくれた卒団生が面白かった思える場にすることが大事だ。どんなことをやったらOB・OGが喜んでくれて、盛り上がるのかをもう一度一から考えなければいけないのかもしれない。

もう一つは、選手が在団のうちから1月3日という日の大切さを説くことが大事だ。また、「自分もこうして戻ってきたい!」と思える会にしなければいけない。


あとは個人的なことになるのだが、僕はOBとしての顔と、指導者としての顔を持ってOB会に臨むことになる。色々な人と挨拶をして、色々な話を聞きたいのだが、自分も卒団生として楽しみたいという気持ちもある。ここのジレンマは毎年難しい。参加する同期も少なくなる中で、少しずつ楽しむ側から楽しんでもらう側に移ろうかなと今年は思った。

おわりに

あえてネガティブなことも書いたが、やはり大勢の人が戻ってきてくれて、楽しい一日だった。来年も、再来年もまたその次にも、同じように集まれるようにしなければいけない。

そのためには…
目の前のことを一つずつ、楽しんでもらう側としてクリアしていかなければいけない。


最後に、企画から運営まで準備をしていただいた、代表・監督・父母会長には、参加したOBを代表して御礼を申し上げたい。

また、正月早々に、自分達とはあまり関係のない行事に出席してお手伝いをしてくれた在団生、及び父兄にも感謝の気持ちを忘れてはいけない。

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