ある日、家に帰ると、黄色い派手な表紙の本がリビングの床に置いてあった。話を聞くと、弟がビンゴ大会か何かでもらってきたようだ。
『筋トレ食』
僕は体をものすごく大きくしたいとは思っていないが、一目見て「何か運動しているんですか?」と言われるくらいの体ではいたいと思っている。
また、野球の指導者をする以上は、ある程度見栄えよくユニフォームを着たい。そのため、週二日の趣味程度ではあるが、ジムでの筋トレは継続している。
何か少しでも参考になればいいなという想いで、軽く手に取った。
せっかくなので、読んでみよう。
初心者向けのやさしい解説
少し読み進めると、筋トレ初心者の僕でもわかるくらい、やさしい解説だった。
栄養素の名前や数字が出てくるので少し集中して読まなければいけない部分もあるが、中学校の家庭科の授業を真面目に聞いていた人ならスッと理解できるだろう。
今時、TwitterやInstagramには格好いい体の人が提供する情報があふれている。トレーニング初心者はその人たちをロールモデルにして、色々と真似するわけであるが、同じことをやろうとしてもなかなか難しいこともある。
なぜなら、SNSで情報発信している人と、今から筋トレを始めようとしている人では、必要としていることが違うからだ。
水を飲まずに減量している人のまねをそのまましたらどうなるか。
この本を読めばその危険性も理解できる。
なんで、鶏むね肉ばかり食べるのか。
これも読めばわかる。
たまごを多く取ればいいのか。
これも本当に正しいのかは、読めば書いてある。
この本は、初心者から中・上級者までが間違った情報に溺れないように、まず初めにやるべきことを丁寧に書いてくれている。
なので、少し分量も多い。普段読書をしない人なら、読むのには時間がかかるかもしれない。
それでも、健康にいい体を作り、維持したいのであれば、まずは手に取って読むべきだろう。
トレーニーじゃなくても読んだ方がいい
表紙、タイトルからして筋トレガチ勢向けの本だと思うかもしれないが、この本はすべての日本人が読んだ方が良いと感じた。
・睡眠が大事
・我慢はよくない
・我慢と感じてしまうならそれはやり方があっていないから見直すべだ
もう、小学校で言われるようなことが書かれているのだ。でもこれが本当に大事なのだと心から思える。
そして、読み進めて最終的に、「バランスよく食べることの大切さ」に行き着くことになる。
作者の岡田隆さんは、何年物試行錯誤の末、このことに改めて気が付いたと言っている。
僕たち読者は、本気で身体と栄養に向き合って、ボディメイクした人の現時点での最高の結論を1時間ほどで見ることができるのだ。
今まで、当たり前に理解していたことだが、この本を読んで腑に落ちた感じがした。
白米暴食トレの無意味さも
また、これを読めば、野球界に根深くはびこる、「ひたすら白米を食べさせられる食トレの無意味さ」もわかるようになる。
もちろん、胃袋を鍛えることは大事だとは書かれているが、間食の活用法など、野球現場にも生きることがたくさん書かれている。
指導者にもお勧めだが、身体を大きくしたい選手も、いきなり栄養学の本を読むのは難しいと思うのでこの本はオススメだ。
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